ペレポスト栽培で、ラン栽培者の多くの人が「困惑」したことがある。
それは・・・・
ランを作る前に・・・・用土に「ラン菌」を繁殖させる技術が必要だ・・ということである。
宇井清太は・・・使用者が・・・こんなことで困惑・・・更にペレポストを否定することなど思いもしなかった!
この困惑のなかに、日本のラン栽培のレベルと、栽培理論の欠如した本、講習会があるようである。
農業した人であれば、植物栽培する前に土を作る作業を行うのはイロハである。
植物、作物栽培イコール「土作り」である!
ところが、ラン栽培では・・・水ゴケを詰め込むだけ。
軽石を鉢に入れるだけ。
バークをつめて・・・固さを調節するだけ。
これが植え替えの仕事、作業であった。
この作業に欠落しているのは・・・・植物も育む土壌、ラン菌・・・植物生態系が全く削除されている。
こういうことを・・職人技術のように本なり、先輩なり、テレビなどで覚えた人、
ペレポストでラン菌を繁殖させる???
ペレポスト栽培は・・・・ラン栽培でというより「ラン菌栽培」ではないか・・ということになる。
ペレポスト否定につながる言葉。
こういう考えの人が・・・ランの大衆化の中でランを作っている現実。
宇井清太は・・・ナニがなんだか解からない心境になる・・・・唖然として言葉を失う。
植物、作物栽培の基本の土作りが・・・面倒くさい!
更に・・・・ペレポストに添付する使い方の説明書。
こんなにややこしいことをしなければならないなら・・・返品する!
更に・・・この講座・・・・あまりに情報量が多いから・・・見ない!
そういう現実。
あまりに安直な・・・ラン栽培が普及したようである。
今年も、ラン展のシーズンになった。
全国各地で開催されるが・・・・。
だからこそ・・ペレポストは革命なのであるが。


地力。
植物栽培にとって最も重要な要素である地力。
土壌に含まれる植物を育む力が・・・地力。
岩石が砕かれ細かくなったものは砂であって「土壌」とはいわない。
「土壌の定義」。
これは皆さんホームページで勉強してください。土壌学という学問。
ラン栽培では200年間「地力」を削除してきた。
だから・・・蘭の本で勉強しても「地力」いう項目はない。
同じ植物栽培でありながら・・・ラン栽培技術というのは・・・ガラパゴス栽培技術である。
片方で・・・最も進んだバイオ技術で無菌は種も、メリクロンも・・・行っているのに・・・・・。
面白い業界である。
地力が全然ない水ゴケ、バーク、軽石・・・栽培というのは・・・・
人間でいえば「点滴」で生命をつないでランは生きているようなもの。
こうのように考えると、自分なら点滴で何年生きられるか想像してみてください。
いかに、そういうもので栽培していることが自然の法則と違うことが理解出来よう。
こういう200年のラン愛好の中で、ランは屍累々の歴史を重ねてきた。
プラントハンター、輸入業者が・・・それで生きてこられたという・・・利点、メリットもあったが・・・。
ランの立場から考えると・・・人間の身勝手な愛好に泣かされ続けた歴史である。
これからも・・・こういうことが・・・永久に続くのか?
だからワシントン条約が出来て・・・歯止めをかける。
しかし、絶滅危惧種以外のランは・・・これからも受難が続く・・・。


地球上の陸上の植物のほとんどは、植物が築け上げた土壌に生きている。
これはラン科植物でも例外ではない。
着生ラン、岩生ランでも、僅かな貧しいけれども・・・
ラン菌、枯れ落ち葉、岩石の粒子などで出来ている土壌がある。
貧しいけれども「地力」がある。
不足分はラン菌の菌糸が補っている!
ところが・・・・鉢栽培では・・・地力がカンケイナイ。

農業では「地力」が重大な問題。
この持続に苦心惨憺である。
毎年堆肥、有機物投与。
元肥、追肥、お礼肥え、寒肥。
こういう肥料の与え方が・・・趣味のラン栽培、草花栽培にも導入されている。
この肥料栽培には・・・必ず病気、消毒が付きまとう。
つまり農業というのは「地力」を略奪して成立つ。
何もしないで略奪すれば、2,3年で作物が育たない土壌になる。
だから、鉢でも植物を植える限り・・・2,3年で植え替えしなければならない。
水ゴケなどには最初から「地力」はないから・・・点滴栽培である。

焼畑農業。
森林が何千、何万年もかけて作り上げた「地力」を、数年で収奪して、
次に移ってゆく・・・・・。

ペレポストは森林が、何千、何万年もかけて作り上げる土壌を再現したものである!
これを鉢に使った場合は、新しいペレポストを補充しない場合は、
焼畑と同じように2,3年で「地力」はなくなってしまう。
だから、ラン菌を元気に活動させ「地力」をつけるのは、
新しいペレポストで2年ごとに植え替えるか、又は、表面に枯れ落ち葉のように、
ペレポストを撒く・・・。
自生地では・・・誰も消毒などしない。
それでも植物は生き続けてきた。
ペレポストは、この自生地を再現したものだから・・・病気に対しては・・・無消毒栽培である。
しかし、ペレポスト栽培でも・・・これまでと同じように・・・
お礼肥えにつもりで・・・・9月、10月の窒素肥料を与える人がいる。
クリスマスローズ・・・・・パフィオ。
そうすると・・・ナンプ病が多発する。
直ぐに発生すればわかりやすいのであるが、翌年の初夏頃多発する。
冬期間・・・体内の潜伏している。

こういう窒素で病気になる基本の病害菌が・・・イネの「イモチ病」である!
植物病害菌の原点にある病気が「イモチ病」である。
植物の細胞に窒素が多量にあると・・・・好んで寄生繁殖する病害菌。
大発生するのは・・・肥料を遅くまで残るような肥料の与え方。
つまり、ランではマグアンプKの大粒のように・・・・遅くまで残る肥料。
あるいは8月から10月に窒素を多く与えた場合である。
園芸の本には・・・
9月になると涼しくなって・・・肥料を吸えるようになるから、9月に肥料を与える・・・とかいてある。
こういう与え方をすると・・・・病気にかかってしまう。
特に「地力」のない土、水ゴケ、バーク、軽石・・・栽培では、
ストレートに窒素が細胞に入ってゆく。
これで・・・パフィオは病気に悩まされることになる。

つまり・・・栄養生長の終わりに時期というのは・・・・
「地力」で身体を充実させる時期である。
だから、ペレポスト栽培すると・・・素晴らしいバルブ、新芽を形成する!
「地力」があるからである。
「地力」は代えていえば「ラン菌力」である。



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 地力 !                   

      
ラン栽培に削除、欠如されてきた。
      植物栽培と最も重要なものが地力である。